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うるわしいですか？
さて、「～時計に魅せられて～」シリーズ第4回目、
今回はSINN(ジン)の魅力を紹介していきます。
ジンは、今までまったくと言っていいほど自分に刺さらなかった時計メーカーでした。
ただなぜか、少し前から急に気になり始めました。
きっかけは、とある時計雑誌でジン特集を何気なく読んだことです。
そこに書いてあったのは創業から現在に至るまで、一貫した時計作りへの真摯な姿勢でした。
思わず胸を打たれてしまいました。ズキュン。
『使うためだけの時計』
これがジンの時計作りの哲学です。
そして、もっとも時計作りでもっとも大切なのは『機能』。
機能面をストイックなまで追求しているのがジンなのです。
あまり一般的に認知されているメーカーではありませんが、いわゆる通好みの時計メーカーです。
正式名称は「ジン特殊時計会社」。
生まれはドイツのフランクフルト。
スイス時計のように大衆性はなく、フランス時計のように煌びやかさも弱いですが、
ドイツ時計らしい生真面目な「堅忍質直」の精神にあふれています。
お洒落で人の目を引くわけでもないけれど、
時計本来の機能性・実用性をひたむきに追求していくのがジンの真骨頂になります。
まさに、、、ハードボイルド。
それではドイツ時計ジン劇場、これにて開幕。ビィーーーーーーーーーー。
～元空軍パイロットが立ち上げた会社～
【創業時】
ジンの魅力を伝えるために、やはり歴史は必要不可欠です。
あまり長くなると眠くなってきますので、要点だけで振り返りましょう。
創業は1961年。
ドイツ空軍のパイロットであり飛行教官でもあったヘルムート・ジン(2018年逝去)
が創業。
戦地で負傷したジンは、創業の理由をこう語っております。
「私は仕事がなかった。そこで多くのスペースと素材を使わない何かを探していた」
創業時、一般向けではなくコックピットクロックやパイロットクロノグラフなど
パイロットのための時計づくりからスタートしました。
↑※前回ブログで書いたベル＆ロスがジンを尊敬していてインスパイアされたのが分かるデザインですね。
ヘルムート・ジン氏は元プロのパイロットなので、
現場でどういうニーズがあるのか的確に判断出来たのでしょう。
その後は『ジン特殊時計会社』の名の通り、ダイバー、軍隊、警察、消防隊など第一線で働くプロのための特殊時計を数多く製造しました。
そしてジンの機能性へのひたむきな追求が秀逸な点は、
それらの特殊時計のための独自のテクノロジーを多数開発しているところです。
1970年～1980年代のクオーツショックで数多くの時計メーカーが苦境に立たされたり倒産した中で、
ジンはひたむきに機能性を重視した時計を作り続けました。
ドイツ空軍に用達させていた時期もあり、正統派の時計メーカーの地位を確立しました。
※クオーツショック・・・セイコーがクォーツ時計を開発したことによって、機械式時計そのものが窮地に陥ることになった出来事。 いままでの時計の常識が変わった出来事。
【継承】
そして、1994年9月、ローター・シュミット工学士がジン社の経営を引き継ぎました。
シュミット氏はスイスの名門ウォッチブランドIWCの取締役兼製造部門マネージャーとして工程管理、製造、商品開発に携わった人物です。
ジンのDNAをしっかり受け継ぎ、
さらに新しい技術開発にも積極的に取り組み「特殊時計」の地位を確立しました。
～ジンの特殊技術～
ここでジンの代表的な特殊技術を簡単に何点かご紹介します。
HYDRO(ハイドロ) 防水性
ジンのダイバーズウォッチのUシリーズには、防水性が驚異の5000ｍ。この数字は世界最高レベルです。
それを実現したのが「ハイドロ・システム」です。
ハイドロ・システムとは、時計ケースに特殊なオイルを封入することにより、
時計ケース内部の気体の収縮率を海水や淡水とほぼ同じにするというシステムです。
ダイバーズウォッチとして、革新的な技術になります。
マグネチック･フィールド・プロテクション
端的にいうと、パソコンなどが持つ磁気から時計を強固に守ってくれるシステムを開発しました。
ジンが開発したシステムは驚異の80,000A/m（1,000ガウスまたは100ミリテラス）。
軟磁性材料を使用したインナーケースにムーブメントホルダー、裏蓋を組み込み、さらに文字盤にもこの素材を使用し磁化を防いでおります。
デギメント加工
高度の高い素材を使用して、時計に傷が付くことを防ぐ加工になります。
見た目はステンレスに似ておりますが、実際に目にするとマット感がジン特有で味があります。
～SINN(ジン)の556に魅せられて～
ジン 556.A
↑上の写真が、わたしが一番このブログでお伝えしたいジンの人気シリーズ「556」になります。
アラビア数字の3.6.9.12が視認性抜群の556.A。
みなさまの第一印象はどうでしょうか？
一見すると、あまり特色がないように見えますが、わたしは永く使い続ける機械式時計という面では非常に優秀だと感じます。
文字盤のブラックと、インデックスのホワイトのコントラスト。
パッと見てすぐに時間が分かる視認性。
何十年使い使い続けても飽きがこないデザイン。
定価220,000円（税別）という本格的な機械式時計では、破格の金額設定。
ジンが気になっている方に、一番オススメしたいシリーズは556になります。
時計作りの哲学でもある「使うためだけの時計」をまさに体現している1本です。
～初めての機械式時計はジンから～
今までこのブログで取り上げてきた『ロレックス』『チューダー』『ベル＆ロス』の時計ですが、
定価50万円オーバーも当たり前で「物が良くてもこんな高い時計買えないよ」という声もあると思います。
分かります。すごく分かります。
それでも本格的な機械式時計を欲しいという方にオススメはジンの時計です。
556シリーズでも20万円代前半から取り揃えており、頑張れば購入出来る金額だと感じます。
そしてパイロットウォッチからダイバーズなど、多彩な時計をラインナップしているのも魅力の一つです。
実際に手に取って見ると、写真とはまた違う魅力を感じることが出来ます。
気になった方は、渋谷に「ジン・デポ渋谷」があり、現行のモデルならほぼ全て取り扱っているショップがあります。
時計以外にもオリジナルグッズはアクセサリー販売、そしてジンの歴史なども知ることが出来る楽しい場所でございます。
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